美肌力をアップさせる、腸のゴールデンタイム

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スキンケアを丁寧にしているつもりなのに、乾燥や吹き出物がなかなか治らない……。
そんな場合は、腸に原因があるのかもしれません。実は美容には外側からのケアだけでなく、内側からのケアも大切です。

トータルアンチエイジングを提供する医療法人康梓会「Y’sサイエンスクリニック広尾」の統括院長である日比野佐和子さんに、体の内側から美肌をつくる秘訣をお聞きしました。

目次

  • 肌トラブルは腸が原因?腸活のススメ
  • ヨーグルトが美肌を育てる
  • 効果をアップさせる腸のゴールデンタイムとは
  • 腸内環境が乱れている人は夜ヨーグルトから始めよう

肌トラブルは腸が原因?腸活のススメ

「肌の状態は腸内環境を表す」といわれるほど、腸内環境と肌は密接に関係しているもの。
だからこそ、腸内環境が悪い人は、腸の状態が「肌トラブル」というかたちで皮膚に表れます。

ここでは、美肌づくりに欠かせない「腸内環境を整える方法(腸活)」をご紹介します。

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腸内環境が悪いと肌トラブルの原因に

腸内環境を決定づけているのが、腸内に存在する細菌です。
私たちの腸内には約500〜1,000種類、約100兆個もの細菌が存在していて、それらが肌の状態や体調に影響しています。

腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があります。

  • 善玉菌…消化吸収を助け、腸の働きを整え、病気に対する抵抗力を高めるなど、有用な働きをする。
  • 悪玉菌…有害物質をつくりだし、腸内の腐敗を進め、体に悪い影響を及ぼす菌として知られている。
  • 日和見菌…健康な時は無害だが、悪玉菌か善玉菌のどちらか優勢なほうに加担して働く性質があります。

健康的な腸内は、多種多様な細菌が共存していながら、善玉菌が優勢な状態にあります。
しかし、食生活の乱れなどが原因で悪玉菌のほうが優勢になってしまうと、腸内環境が悪化し、便を排出するための腸のぜん動運動も鈍くなり、便秘になりやすくなります。

便秘になると(腸内細菌のバランスが崩れると)腸内にアンモニア、フェノール、硫化水素などの腐敗物質が多く産生され、腸管内で吸収され血管を経由して、体全身をめぐることで、肌に到達し、肌トラブルに直結しやすくなります*1*2。
実際に、便秘症状が続くと皮膚症状の悪化に繋がることも以前から知られており、腸内環境を整えることで、皮膚の状態が改善することが報告されている*3*4*5。

だからこそ、腸内環境を整えて、便通を良くすることが肌質改善につながっていくのです。

ヨーグルトが美肌を育てる

腸内環境を整えるには善玉菌である乳酸菌を多く含むヨーグルトがおすすめ

腸内環境を改善するには、「乳酸菌」をはじめとする善玉菌を多く含む発酵食品を食べるのが近道です。
乳酸菌などの微生物を加えて分解させることでつくり出された発酵食品を食べることで、腸内の善玉菌を増やすことができるからです。

乳酸菌を含む発酵食品には漬物やチーズ、キムチなどがありますが、手軽にとれるという点から考えるとヨーグルトがおすすめです。
また、ヨーグルトは種類が豊富にあるため飽きにくく、コンビニなどで簡単に手に入れることができます。毎日、習慣として続けやすいという点からも、腸活の第一歩としてヨーグルトを食べることをおすすめします。

腸の善玉菌を増やしてくれる乳酸菌を、朝と晩にヨーグルトを食べることで補ってあげるのが、一番手軽に始められる腸活です。
ヨーグルトを毎日の食習慣に加えて、内側から美しい肌を育てていきましょう。

1日の摂取量は200gが目安

ヨーグルトの摂取量は、1日約200gが理想的です。朝と夜に食べるなら、約100gずつ食べることをおすすめします。
固形(食べるタイプ)のヨーグルトだと摂りづらいという方は、ドリンクタイプでも大丈夫です。

ダイエット中の方など、脂肪分を気にされている方は、低脂肪のヨーグルトを選びましょう。

効果をアップさせる腸のゴールデンタイムとは

一般的にゴールデンタイムというのは、体内の細胞や組織などが修復・再生される時間帯と言われています。
肌の再生・修復が行われる「肌のゴールデンタイム」があるように、腸にも腸壁の細胞が修復される「腸のゴールデンタイム」があります。

腸のゴールデンタイムは、起床から15〜19時間後を指します。
朝7時に起床したとすると、腸のゴールデンタイムは夜10時〜深夜2時となります。この時間帯は、「肌のゴールデンタイム」とも重なっています。

夜ヨーグルトが効果的な理由

腸のゴールデンタイムを利用して腸内環境を整えるなら、夕食後にヨーグルトを食べるのが効果的でしょう。

腸のゴールデンタイムは、1日の中で副交感神経が最も高まり、腸が活性化する時間帯です。
夕食後にヨーグルトを食べることで、寝ている間に乳酸菌などの善玉菌が働いて腸が活性化します。腸内環境が整うと、老廃物や有害物質の排せつが促進されます。

なお、寝る直前に食べると太りやすいため、就寝の2時間前までには食べ終えるようにしましょう。

睡眠

美肌には睡眠が欠かせません。ひと昔前は、成長ホルモンが多く分泌され、肌の再生・修復が進む「肌のゴールデンタイム」に就寝することが大切だとされていました。
しかし、最近では、その時間帯に眠っていることよりも、深い眠りである「ノンレム睡眠」の割合が多い入眠後3時間、特に入眠から90分間の質を上げることが重要視されています。

実は睡眠の質と腸内環境には深い関係があります。なぜなら、睡眠ホルモンとして知られている「メラトニン」の材料となる「セロトニン」の95%が腸でつくられているからです。
腸内環境が整っていれば、セロトニンが正常に分泌され、深い眠りもとれやすくなります。一方、腸内環境が乱れていると、セロトニンの分泌が低下し、睡眠の質も下がります。

美肌をつくるためにも、夜ヨーグルトによって腸内環境を整え、睡眠の質を上げていきましょう。

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腸内環境が乱れている人は夜ヨーグルトから始めよう

腸内環境を整えるには、朝晩で約100gずつヨーグルトを食べるのが理想的です。
しかし、腸内環境が乱れている人が朝にヨーグルトを食べると、最初のうちはおなかが膨れたり、おならが出やすくなったりすることがあります。
これらの現象は、ヨーグルトを食べたことで腸のぜん動運動が活発になり、ガスが発生することで起こります。

朝にヨーグルトを食べると膨満感があるという方は、最初は夜だけ食べて、腸内環境が整ってきたら朝と夜に変えてみてください。

理想的なヨーグルト生活をはじめよう

ヨーグルトと一緒に食べると効果アップが期待できる食べ物

ヨーグルトを食べるときは、善玉菌である乳酸菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を豊富に含む食べ物と一緒に食べると、さらに善玉菌を増やす効果が期待できます。*6

ヨーグルトと相性がいい食べ物としておすすめなのが果物です。
特に、りんごやオレンジにはペクチンと呼ばれる水溶性の食物繊維が多く入っています。また、バナナにはオリゴ糖が多く含まれています。

果物以外なら、食物繊維を豊富に含む寒天やナタデココもヨーグルトと相性がいいです。
寒天やナタデココは低カロリーですので、ダイエット中の方でも安心して食べられます。

朝と夜に食べるなら、ヨーグルトの種類を変えるのがおすすめ

最新の研究では、腸内に存在する細菌の種類が多彩な方がいいといわれています。

ヨーグルトにもさまざま種類があり、それぞれ効果や乳酸菌の種類も異なります。そのため、朝と夜に食べるなら、別の種類のものを食べることもおすすめします。

悪玉菌の元となる食品成分の摂取を控える*7*8*9*10

ヨーグルトのように善玉菌を増やす食べ物がある一方で、悪玉菌を増やす食べ物があります。
以下は、過剰摂取すると腸内環境を悪化させる可能性が高い食品成分です。

  • マーガリンやショートニングなどの「トランス脂肪酸」
  • 動物性脂肪の持続的、多量摂取
  • 「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」の飲み物や食べ物などに含まれる「人工甘味料」
  • 保存料や着色料などの「食品添加物」
  • パンやパスタなどの小麦由来食品に含まれる「グルテン」

いくらヨーグルトを食べていても、上記の食品成分を多く摂ってしまうと腸内環境はなかなか改善されません。
ヨーグルトによる整腸効果を高めるためにも、悪玉菌を増やす食品成分の摂取はなるべく控えましょう。

まとめ

腸内環境を整えるのにいいとされるヨーグルトですが、1日だけ食べただけで腸内環境は変わりません。

毎日の習慣にすることが重要です。そして、腸内環境を改善するためには、最低でも半年から1年間、生活習慣を見直す必要があります。
加齢とともに、腸内環境は、不安定になる傾向があります。

ヨーグルトで腸内環境を整えるには、毎日食べ続けることがなにより大切です。
朝晩にヨーグルトを食べることを習慣づけ、おいしく、そして楽しく続けることが、腸の健康、しいては全身の美容につながっていくのです。

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【監修】日比野佐和子

医療法人康梓会Y's サイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学 特任准教授。内科医、皮膚科医、眼科医、日本抗加齢医学会専門医。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。現在はアンチエイジング医療における第一人者的な立場として、基礎研究から最新の再生医療の臨床に至るまで幅広く国際的に活躍するとともに、テレビや雑誌等メディアでも注目を集める。

参考文献

*1 Iizuka R, Kawakami K, Izawa N, Chiba K. (2009) Phenols produced by gut bacteria affect the skin in hairless mice. Microb Ecol Health Dis 21: 50-56.

*2 Iizuka R, Kawakami K, Chiba K. (2009) Gut bacteria producing phenols disturb keratinocyte differentiation in human skin. Microb Ecol Health Dis 21: 221-227.

*3 山本有紀,近藤しずき,清水金忠,岩附慧二,岸岡亜紀子 他. (2007)アロエヨーグルト摂取が成人女性の皮膚および排便性状へ及ぼす影響.Asthetic Dermatology 17:279-288.

*4 伊澤佳久平,野間晃幸,山本昌志,木村勝紀,伊藤裕之 他. (2008)LB81 乳酸菌を使用したヨーグルトの皮膚機能改善効果に関する検証.腸内細菌学雑誌 22:1-5.

*5 Kano M, Masuoka N, Kaga C, Sugimoto S, Iizuka R, et al. (2013) Consecutive intake of fermented milk containing Bifidobacterium breve strain Yakult and galacto- oligosaccharides benefits skin condition in healty adult women. Biosci Microbiota Food Health 32: 33-39.

*6 De Vadder F, Kovatcheva-Datchary P, Zitoun C, et al. Microbiota- produced succinate improves glucose homeostasis via intestinal gluconeogenesis. Cell Metab. 2016 ; 24 : 151-7.

*7 Caesar R, Tremaroli V, Kovatcheva- Datchary P, et al. Crosstalk between gut microbiota and dietary lipids aggravates WAT inflammation through TLR signaling. Cell Metab. 2015 ; 22 : 658-68.

*8 Jia W, Xie G, Jia W. Bile acid- microbiota crosstalk in gastrointestinal inflammation and carcinogenesis. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2018 ; 15 : 111-28.

*9 Krautkramer KA, Kreznar JH, Romano KA, et al. Diet-microbiota interactions mediate global epigenetic programming in multiple host tissues. Molecular Cell. 2016 ; 64 : 982-92

*10 Kelly JR, Kennedy PJ, Cryan JF, et al. Breaking down the barriers: the gut microbiome, intestinal permeability and stress-related psychiatric disorders. Front Cell Neurosci. 2015 ; 9 : 392.