夜にヨーグルトを食べると○○にイイことが?!驚きの時間栄養学

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栄養はこれまで「1日に何をどれだけ食べればよいか」という視点で考えられてきました。
しかしここ数年で「時間栄養学」という新しい学問が発展し、栄養効果は食べる時間によって変化することや、体内時計が食事に影響を受けることなどがわかってきました。

時間栄養学にもとづく、不足している栄養素を効果的に補う方法や、睡眠中の体のリペア機能を高める方法をご紹介します。

目次

  • 食事の内容や時間を意識して食べることの大切さ 「時間栄養学」の基礎知識
  • 日本人の食生活は豊かに しかし、「カルシウム」不足は深刻
  • カルシウム摂取は夕食時がベスト ヨーグルトをプラスするだけで効果的
  • 夕食のヨーグルトは身体のリペアも助ける

食事の内容や時間を意識して食べることの大切さ
「時間栄養学」の基礎知識

はじめに、いつ、何を、どれくらい食べるかで栄養学的効果は変わる「時間栄養学」について知りましょう。
目の前にたっぷりのデザートがあるとします。「昼食後と夕食後のどちらに食べますか?」と聞かれたら、
多くの人が感覚的に「夕食後よりは昼食後に食べるほうが太らないだろうな」と思うでしょう。
「昼食後に食べるほうが良い」ことを理由づけてくれるのが「時間栄養学」です。

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時間栄養学の2つの知見

時間栄養学には2つの知見があります。
1つは、「いつ、何を食べると良いか」です。体に脂肪をため込む働きは、朝、昼に比べて夜は高まることがわかっています。
そのため、太りにくい食事をしたいなら、デザートは夕食後より昼食後に食べるほうが良いと言えます。
もう1つの知見「朝食の有用性」です。体の中には、生体のリズムを調節する「体内時計」があります。
1日が24時間であるのに対し、体内時計は24時間15分程度の周期であるため、そのままにしていたら、外界と体の時間は少しずつずれていってしまいます。
朝食はこのずれを毎日リセットしてくれます。

朝食抜きや不規則な食事をしていると……

体内時計には、脳をつかさどる「親時計」と肝臓や腎臓などの末梢をつかさどる「子時計」があります。
朝食を食べることでリセットされるのは「子時計」で、「親時計」は朝日を浴びることでリセットされます。
親時計と子時計は、例えるとオーケストラの指揮者と演奏者の関係にあるので、朝の光を浴びて指揮者が指揮をはじめ、朝食を食べて演奏者が指揮に合わせて演奏をはじめると、理想的な音楽が奏でられます。

では、朝起きて朝日を浴びても、朝食を食べなかったり、昼・夜・夜中といった不規則な時間帯に食事をしたりしているとどうなるのでしょうか?

朝起きても食事を食べず、5時間後にその日初めての食事をとると体内時計はどう動くか?を調査した研究があります。
研究からは、体内で脳と末梢の臓器の時計が2.5時間ずれることがわかりました。
昔は「朝食を食べないと、脳に糖がいかないため、午前中の集中力や作業効率が落ちる」と考えられてきましたが、実は、脳と末梢の臓器の時間がずれることで不調が起きるのです。

足りない栄養素は時間栄養学を活かして摂取を

時間栄養学は、太りにくい食生活を実践して肥満や生活習慣病を予防したり、日々のパフォーマンスを良くしたりすることに活かせるだけではありません。
足りていない栄養素を効率よく摂取する方法も教えてくれます。日本人の深刻なカルシウム不足を改善できるかもしれません。

日本人の食生活は豊かに
しかし、「カルシウム」不足は深刻

カルシウムが不足すると骨が弱くなることは広く知られています。
高齢者には骨粗鬆症が多いため、カルシウムを進んで摂るべきことも知られています。
そのためか、若い世代には「今は問題ない」と思っている方もいます。これは大きな間違いです。

カルシウムは「今」と「未来」の体を守る

骨量は20歳前後でピークを迎えます。その後は増えることはなく、年齢とともに減っていきます。
つまり、骨貯金できるのは若い間だけなのです。若い間の骨貯金が不足し、ピーク時の骨量が少なければ、減るのも早くなってしまい、高齢になったときのダメージは大きくなってしまいます。

カルシウムの働きは骨をつくる・強くすることだけではありません。心臓を動かすのにも筋肉を収縮させるのにもカルシウムは必要です。

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血液中のカルシウムが足りなくなってしまうと、生命を維持できなくなってしまうため、骨からカルシウムを溶かし出して補給する仕組みが体に備わっています。
骨から溶かし出される量を抑えるには、カルシウムを定期的に十二分に摂取しなければいけません。

年齢・男女問わず、カルシウム摂取不足

カルシウムは、「今」も「未来」も健康でいるために必要不可欠な栄養素です。
しかし日本人の一日の摂取量は足りていないのが現状です。戦後から1970年くらいまでは増えたものの、その後は増えてはおらず、2000年くらいからは徐々に減っています。
背景には、日本人の食習慣や日本のほとんどの地域が硬水に比べてミネラル分が少ない軟水であることなどがあると考えられています。

現在、日本人の一日の平均カルシウム摂取量は500mg程度です。12~14歳の成長期では、摂取推奨量の半分で、必要量にも達していません。
20代の必要量は650mg/日、30代以降は600mg/日なので、年齢性別問わず、不足しています。また、高齢になると消化管からの吸収率が低くなるため、より多く摂らなければなりません。

カルシウム摂取は夕食時がベスト
ヨーグルトをプラスするだけで効果的

カルシウムは吸収率が比較的低い栄養素です。しかし時間栄養学を活かすと、カルシウムを効率的に摂ることができます。その時間とは「夜」であることが明らかになっています。

夜はカルシウムの吸収率が高まる

朝食時と夕食時にカルシウムを摂り、その吸収率を調べた実験があります。
その結果からは、夕飯時の方が吸収率が高いことがわかりました。一般的に、カルシウム製剤は夜飲むように指導されるのもこのためです。

牛乳やヨーグルトはカルシウムが豊富です。
朝食時に食べるのももちろん良いのですが、夕食時に意識的にプラスしていきましょう。

発酵食品であるヨーグルトは特に優れた食品と言えます。
ヨーグルトの酸味の正体は、乳酸菌によって発酵するときにつくられる乳酸や酢酸で、こうした短鎖脂肪酸は、腸内を酸性にしやすくします。
腸内が酸性になるとカルシウム吸収率が高まるので、より効率的だと言えます。

骨はカルシウム+たんぱく質でつくられる

骨をつくる・強くするためにカルシウムは必要不可欠です。
ただ、骨は鉄筋コンクリートのような構造をしているため、鉄筋にあたる「たんぱく質」とコンクリートにあたる「カルシウム」の2つがそろって初めて骨はつくられます。
ヨーグルトはカルシウムに加えて乳たんぱくも豊富であるためおすすめです。

夕食のヨーグルトは身体のリペアも助ける

時間栄養学に基づく食事法を実践する際、もうひとつ大切にしたいことがあります。
それは「睡眠」です。睡眠時には、昼間に疲労した脳や痛んだ組織を修復しているためです。

夕食ヨーグルトは筋肉保持につながる

身体には、外部から十分な栄養をとれないときに細胞の一部を分解し“リサイクル”して使うオートファジーという仕組みが備わっています。
睡眠中に体内でアミノ酸が必要になった場合、使われない筋肉のたんぱく質がこわされます。
そのため、寝ている間に筋肉量が落ちてしまうことがあるのです。しかし夕食時にたんぱく質を摂れば、筋肉量の保持が期待できます。

夕食ヨーグルトが身体リペアの材料になる

身体は、生命を維持するために、血液中のカルシウムが足りなくなったら、骨からカルシウムを溶かし出して補給するとお話しました。
この骨を「こわす」働きは、活動的な日中に増えるのに対し、睡眠中は「つくる」働きが強くなります睡眠中は、細胞の代謝・活性化をする成長ホルモンが分泌されるためです。
ただ、“材料”がないとできないリペアはできません。そこで、夕食のヨーグルトが良い材料になるのです。

スムーズな入眠のサポートにも

身体のリペアを促すには、睡眠が大切です。しかし睡眠の質が良くない人は少なくありません。その原因のひとつは、食事の比率にあります。
多くの人は食事の比率が、朝食:昼食:夕食=2:3:5くらいであることが調査からわかっています。時間栄養学から良質な睡眠を考えると、比率はせめて3:3:4くらいにし、夕食では脂質・炭水化物は抑えたいものです。
ヨーグルトなら、胃に負担をかけて体内時計に影響を与えるようなこともありません。

また、入眠時にアミノ酸のひとつであるトリプトファンが体内に入っていると寝つきがよくなることがわかっていますが、夕食時のたんぱく質から摂れる量では今一歩足りません。
夕食時に乳たんぱく豊富なヨーグルトを食べることが摂取量のプラスアルファとなります。

まとめ

「ヨーグルトを朝食の1品にしていたけれど、夕食時には食べる発想は無かった!」という方は多いのではないでしょうか?
今日から夕食時の食卓にも並べ、家族みんなで「カルシウム不足の解消」や「体のリペア機能の向上」をしていきましょう。
はちみつや果物を加えるなどしても夕食ヨーグルトの効果に変化はないので、アレンジを楽しみながら続けてみてください。

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【監修】柴田重信

早稲田大学理工学術院教授。先端生命医科学センター長。東京農工大学客員教授、東京女子医科大学客員教授。九州大学薬学部卒業、同大学院薬学研究科博士課程単位取得退学。薬学博士。専門は時間健康科学。時間栄養学の第一人者で、著書に『時間栄養学』(女子栄養大学出版部)、『食べる時間を変えれば健康になる』(監修/ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『体内時計健康法』(共著/杏林書院)など。